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石の獣
神世
世界を創り出したのは四十八の獣たちだった。
それは光りを散らし、増やし、消えない塵を屑とし、やがて炎の大地を産んだ。
そして彼らは光と闇を分けた大地に水と風を喚んで命のかけらを植えた。
それが原始の王。
最初の人間であった。
やがて原始の王は神から与えられた力で仮初めの命を産んだ。
神の似姿、雑獣たちである。
人はそれらを使役し、増やし、やがて無類の繁栄を地に満たした。
神は絶大な力を持つが故にそれを許した。似姿とされた雑獣たちがあまりに不出来だったが故である。
しかし例外もあった。
否。例外ではなく、人を許さぬ神獣たちは半分近くもいた。
主に翼持つ獣――天獣と後に呼ばれた獣たちである。
対して人を擁護した獣たちを守獣と呼んだ。
最初は諍いのみであったが反目は力の発現を生み、遂には神同士が牙と爪を剥きあう結果になる。
いくつもの星が砕け、光の川となり、凍った息が天を覆った。大地が割れ、川があふれ、嵐が地を削った。
やがて争いはその宗主たる天獣皇と守獣帝の一騎打ちとなった。それは七日七晩続き、それでも終わらなかった。
だが八日目。
皮肉にも天獣皇の生み出した太陽が大地を照らさんとした瞬間だった。
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