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ここ、東京の都心からかなりかけ離れた場所に、私立桜ヶ丘学園が建っていた。
なぜ田舎に建てられたか。
それは創立者が『自然を愛せよ』との信念のためだ。
おかげで、学園の周りにあるのは、山と田んぼだけだった。
まだ救いは、2キロ程歩けばバス停や電車の駅があるし、小さいながらスーパーやコンビニもある。
ちなみにこの学園は、一応それなりに有名な進学校だが、お祭り好きであることでも有名だった。
またこの学園は、幼等部、初等部、中等部、高等部と、エスカレーター式の学園だ。
そのため、在籍する生徒のほとんどは持ち上がりによるもので、大抵が顔見知りだった。
そのせいか、転校生は物珍しがられ、どんな容姿でなんて名前かなどのデータはその日の内に、在籍する等部へ全学年に伝わるのだった。
その被害者になったのが、今回の主人公である。
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