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散策・・といっても
ここは都会のド真ん中だから、
全く楽しくない。目に映る物は
道路とかビルとか車とか…
派手に身を包む人間ばかりで、
あった、としても
先刻、黒猫がチラリと顔を建物の間から
伺わせた程度だ。
大したものはない。
しかも生憎の空模様ときた。
傘は持ち合わせていない
ま、どうせ降り出したら速攻で帰るから
別にいんだけど…。
六個目の信号を右に曲がってみる
どうか 他の物が見つかりますように と
願いながら。
……残念、またもビルの群れ。
なんだよ、もう・・人間てツマラナイ。
はあとそんな想いを溜息にして
吐き出せば、道路にポツリと
何かが落ちて弾ける音がした。
弾ける音はだんだん間隔を狭め
俺の頭上でも鳴り始める。
ああ、もうつくづくついてない。
雨が降り始めた。
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