†辛いリハビリ†

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毎日 同じ事の繰り返しだった。 コツコツと積み重ねて行く努力。 今日は 転ばなかったとか 昨日は2往復が今日は3往復出来たとか そんな小さな進歩が 確実に明日へ繋がる。 だけど それを理解して感動出来るようになるまでは 汗と涙の 努力! 努力! 努力! だった。 見てられずに差し延べる みゆきの手を振り払い 苛立ちをぶつけ拒否した。 心配そうに見守るアイツの顔を横目に 意地になってた。 足首がないからと 同情や差別されたりしたくない! 俺は以前と何も変わってない! 「まだ若いのに可哀相に…」 そんな周りの好奇の視線がウザかった。 「クソッ💢」 唇を噛み締める。 ドヂる度に 鉄パイプを拳で叩く。 初めは口に出さなかった言葉が いつの間にか声になって漏れる。 「チクショー💢 何で上手く歩けねーんだ💢」 リハビリの時間以外でも 夜中、静まり返った廊下の手すりに捕まって練習した。 ベッドの上では腹筋。 腕の筋肉を鍛える為のダンベル。 俺は 陰で努力した。 辛くて泣く夜もあった。 負けず嫌いな性格だから 悔しくてたまらなかったんだ。 何度も挫折しそうになる。 投げやりな気分に陥る。 その度に みゆきとの日記を読み返してみる。 自分の事のように悲しみ 何も出来ない自分がもどかしいと嘆いてる アイツ。 どうか 負けないで頑張ってと哀願している。 俺は そんなアイツの言葉に励まされ 勇気付けられた。 逃げ出さなかったのは みゆきのお陰だ。 『アイツの気持ちに応えたい』 その一心で 歯を食いしばって頑張ったんだ。
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