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川村
「俺ね…
もう長くないんだよ…」
俺はその言葉に固まった。
川村
「5年生存率は30㌫~40㌫だもんな。
身体中手術痕だらけだ(笑)
生きる為なら、って辛い治療も耐えて来た。
…だけど…」
川村さんは悲しそうに下を向いた。
でもすぐに笑顔で
川村
「これが俺の運命なら仕方ない!
ただ… 気掛かりなのは早苗なんだ…
気丈に振る舞ってくれてるけど
アイツがどんな思いで居るか…
俺ら… 婚約してたんだよ。
ホントなら 6月に結婚する予定だったんだ。
でも 今年に入って またまた転移が見つかっちゃってさ(笑)
6月の花嫁になるのがアイツの夢だったのに 叶えてやれなかった。」
川村さんは悔しそうに 口びるを噛み締めていた。
川村
「アイツを残して逝かなきゃならないのが心残りでね…
内緒で曲を作ってるんだ。
蓮クン 聴いてくれるかい?」
俺
「えっ?💦
内緒なのに俺が聴いちゃっていいんですか?💦」
川村
「アイツには内緒ね。
感想聞かして欲しいんだ。
この曲を弾き語りでテープに撮って残そうと思うんだよ。」
そう言うと ギターを片手に静かに歌い出した。
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