330人が本棚に入れています
本棚に追加
兄ちゃん
「肺に転移するとな 軽い咳がコンコンて出始めるんだ。 始めは風邪か? 位にしか感じないんだ」
まさか…………な…
けど
言いようのない不安が押し寄せて来る。
黙り込んでる俺を心配してか みゆきが顔を覗き込む。
みゆき
「あんまり居ると海風は冷えるから そろそろ帰ろうか…」
時計を見ると夕方の16時。
早ぇな💦
俺
「そうだな…
バスと電車で家着くのは18時位になっちまうしな💦」
あまり遅くはなれない。
俺は構わないけど みゆきは今日 俺と一緒だって事は親に言ってない。
加代子と一緒に来てる事になっている。
極端に厳格な家ではないが 何かと口ウルサイ親だと聞いてる。
俺に限らず 男と一緒だとなると
あれこれ詮索して有らぬ疑いを持たれる…
と みゆきは言っていた。
ましてや 病気持ち…
一応 治ったと言っても
まだいつ再発するか解らねぇ男とつるんでるなんて知れたら…
5年……
5年間 再発しなければ…
長いな…
けど 生き延びてみせる!
そして 堂々と みゆきの両親に顔出せるような男になるんだ!
………
そう 意気込んでいた。
さっきの不安が数日後に 紛れも無い真実に変わるなんて
この日の俺は思ってもなかった。
ホントに
この日のデートは楽しかったんだ。
みゆき
「来年もまた海に来れるよね?」
俺
「おぉ! また来年も絶対な!
千葉の稲毛海岸にも連れて行きてぇよ!
約束な。」
みゆき
「うん♪ 約束ね!」
………約束だ…
最初のコメントを投稿しよう!