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ボールを差し出してニッコリ笑って手招きしてる。
気付くと いつの間にか河の流れが緩やかになってた。
これなら向こう岸まで行ける!
俺は 水を掻き分けるようにしながら向こう岸へ行こうとした。
『ダメ!! 蓮、こっちだよっ!』
聞き覚えのある声が後ろから聞こえた。
振り向くと 反対岸に みゆきが立ってる!
必死に俺を呼んでる。
俺は 引き返した。
『お兄ちゃん ボール要らないの?』
女のコが呼ぶ。
『ごめん💦 みぃが呼んでるから 行かなくちゃ💦 ボールなんかより 大事なもんだからさ』
そう言って みゆきの方に引き返してると
今まで緩やかだった河の流れが また早くなって来た!
もう少しで 岸に着く💦
みゆきに手をのばす。
『ダメだ! 流される!』
諦めかけた瞬間 みゆきが俺の手を強く掴んだ。
『大丈夫! 絶対放さない!』
俺は間一髪で助けられ 岸に上がった。
『もう少しだったのに…』
確かにそう聞こえた?
向こう岸を見ると
さっきの女のコが 酷く歪んだ顔で睨みつけていた。
『大丈夫だよ』
みゆきが俺を抱きしめた。
俺は意識を失った。
…目を開けると そこは いつもの病室だった。
心配そうに見守る両親と姉貴と先生や看護婦達…
先生
「よかった!意識が戻った💦
もう大丈夫だよ」
夢だったのか…
あれは 噂の三途の川だったのか?!
もし あのまま 女のコの方に行っていたら?
みぃが呼んでくれなかったら?
…俺は……
とりあえず 助かった…みたいだな…
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