第2章 「異変」

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ゼロさん(だったけ?)が出ていった後、俺は辺りを見渡した。 部屋は整理されていて埃ひとつもないような綺麗な感じだ。 …うん、俺の部屋とは大違いだ。少しは見習った方がいいよな… ふとゼロさんが出ていったドアとは違う扉に目がとまった。 一回見てみようか。見るだけなら問題は全くないし。 そんなことを考えながら俺はそのドアに近づいて取手をひねり、開けてみる。 すると、目に飛び込んできたものは数えるだけでも一苦労するような、かなりの量の服が掛けてあった。 この部屋はウォークインクローゼットなのだろう。 少し歩いてすぐに赤い腕章の付いた黒のロングコートが目に入った。 ……ん、腕章?それも赤… まさか、衣装とかじゃないよな? そうだったらいいのにとか考えてないからな! でもまぁ気になるし、どんなのか見てみよう。 俺はかかっているコートを手にとり、その腕章を見た。 腕章には黒いパッチが付いていて、端っこに小さく「第四独立遊撃部隊」、真ん中に「CROSS」の文字と大鎌のようなマークが載っていた。 あれ?ちょっと待てよ、「CROSS」って… つか、このコート… 「嘘ぉお!?マジでかよ!!!!」 ちょ……、まさかの本物!? 嘘だろ!?誰か嘘だと言ってくれぇ!!!! そう思ってるのもつかの間、足元でゴトンッと物が落ちる音がした。 「まさか…」と思い拾ってみると、やはりそれは思った通りのモデルガンだった。 …もう信じるしかなさそうだ。 此処に本物の「あの人」がいるってことを… 後で絶対サイン貰うぞ!! っと、そのまえに… 誰も見てないよな? よし!今までの憧れだったロングコート、着させていただきます。 うん。 着てみたのはいいものの、やっぱ長いな…。 でも、やっと念願の夢が叶った… ヤバイ…テンション上がるっ!! そういや、さっきゼロさん 「服の着替えはそこにあるから好きなようにして」 って言ってたから着てていいのか…? ……やっぱ無理です!好きなようにはできませんよ俺には! 戻さしていただきます!! 俺は丁寧にコートを脱ぎ、あった場所に戻した(勿論、銃も)。 そういや、もしこの服たちの持ち主が「あの人」なのであればゼロさんは関係者ってことだよな 俺はこのことが聞きたくていてもたってもいられなくなって、ダッシュでゼロさんの所へ行った。
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