第1章 「序曲」

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校内にチャイムが鳴り響き、生徒達が下校の準備をし始める頃、俺[如月 蓮]はさっさと帰りの用意を済ませて椅子に座っていた ――あの夢は何だったんだろう……。お陰で授業が頭に入らなかったし… 「はぁ…………」 そう思っていると、俺を呼ぶ声が耳元で聞こえた びっくりして振り向くと眩しいぐらいの笑顔が目の前にあった 毎度のことながらコイツの行動はビビる 「ちょっ、お前やめろよ洸!!」 「あははっ、今日も引っかかったね 普段から気をつけないのが悪いんでしょ」 人を指さして笑うなよ失礼な そうそう、コイツは親友の[宮澤 洸]。いつもちょっかいをかけてくる隠れオタクだ 「くっそ、絶対仕返ししてやる! …で、俺になんの用が?」 「あ、そうだ。蓮、今日は一緒に帰ろう…ってか一緒に帰ってもらうぞ!!」 「強制っすか。べつにいいけど…、何でだ洸?」 「やった! 『最近、此処らへんも事件が多くなってきたから誰かと一緒に帰れ』って母さんが…」 「……わかった ってか、さっさと帰りたいならちょっかいかける前に準備しろよ遅せぇな 今から1分で支度しろ、じゃねぇと置いてく」 「ちょ、それはやだ!」 「だったら早くするんだな」 そう言って机に向き直りケータイをいじる 事件…か―― ――最近俺達が住んでいる町で起きている事件……。 其は、夕方になると《最低一人は行方不明者が出る》と《"化け物"を見た人が出る》とゆう奇妙な事件だった。 現場には証拠や遺留品が無く、時々血痕が遺っている程度で警察も頭を悩ませているらしい……。 そんな事件が俺達を巻き込むことになるなんてな――………
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