第2章 「異変」

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振り向いた先には姿は狼、全身は血ような色をした[化け物]がいた 「…なんだよ、あれ……」 絶句。今までゲーム以外で見た事もないモノが目の前にいるのだから… 「やっと見つけたぞ、<月の子>よ……」 その[化け物]から声が聞こえた …聞こえるというのもおかしいな、脳に直接響いている感じと言えばしっくりくるか 「お前を捕えればアイザ様もクリフ様もお喜びになる…」 そう言いいながら俺の方に一歩ずつ足を進め始めた クリフって誰だ?こいつらのボスなのだろうか そう考えながら俺は少しずつ後退していった くそ、今回に限って部活で使ってる竹刀がいれてある袋を学校に置いてくるなんてな… 「さぁ…、おとなしく来てもらおうか……」 「………っ!!」 「そうはさせないよ」 紅い[化け物]がそう言った瞬間、空から声が… 見上げた直後、俺の目の前に男が黒いコートを閃かせて降ってきた …え?人間が空から降ってくるだって!? つか、なんだよこのベタな展開は スタッと華麗に着地すると素早くコートの内側から2本のナイフを取り出したではないか ってなんで持ってるんだよ!!? さらにベタだ… 「如月 蓮、そこから動くなよ? クリムゾンか……。何故此処に貴様がいる」 黒コートの男が[化け物]に向かって言った。 「お前には関係ないだろう【Zero】よ……。 今回は邪魔が入ったが<月の子>よ、お前こそは必ず我等のモノに!!」 そう言い残して、[化け物]は天高く跳び上がり住宅の屋根の上を走っていった。 「待て!」 男がそう言って間もなく、そいつの影が消えた。 「ちっ……、逃げ足の速い奴だ……。 まぁいいや。怪我はないか??如月 蓮」 男はフードを外しながら俺の方を向いたしかし彼の顔を見たその瞬間、今までに一度もない激しい頭痛と耳鳴りに襲われて立っていられなくなった 「うっ…っ」 「ちょ、おい!!」 全身の力が抜けてその場に崩れ落ち、そのまま意識が途絶えた
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