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居間につくなり、
「今、温め直すから少し待ってて」
言い残して、台所へ消えた弟の背を見送り、シェイラはおとなしく椅子に座った。
香ばしい焼きたてパンの香りに、麻痺していた空腹感が蘇る。
ぐぅ~。
慌ててお腹を押さえたが時既に遅く、盛大な音が鳴り響いた。
台所まで聞こえたのか、シェイルの笑い声が聞こえる。
「シェイル!笑いすぎだよ!!」
恥ずかしくて顔を真っ赤にして怒鳴ると、台所からひょこっと顔を覗かせたシェイルが、
「これでも食べて待ってて」
と、こちらに 何か投げて寄越した。
「えっ?」
両手を広げてキャッチする。
見てみると、白くてふわふわしたマシュマロが手のひらに転がっていた。
「わぁっ、ありがとう!」
さっきまで真っ赤になっていた事をすっかり忘れ、シェイラは満面の笑みを浮かべた。
心からの笑顔に、シェイルも微笑む。
「どういたしまして。もう出来るから、それ食べたら運ぶの手伝って」
「うん!」
頷いてマシュマロを頬張る。
柔らかいそれは口の中で溶けて、優しい甘さを舌に残した。
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