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光天使の役所、光閃宮。
その一角にある執務室で書類に目を通していた光天使長ガゼットは、不意にその手を止めた。
耳ではなく、頭に直接響く、甲高い声。
「……っ、シェリル!」
行方知れずとなっていた愛娘の声無き悲鳴を聞きつけたガゼットは、机にある山積みの書類を放り投げて、声する方へ向かって羽ばたいた。
「シェリル、無事か!」
豪雨の中、びしょ濡れになりながらも空を駆けてきたガゼットは、娘が居るであろう小屋へ踏み込んだ。
「……っ!?」
途端、強い陰陽の気を感じ、思わず二の足を踏む。
突然の来客者に驚いた産婆は、慌てて親子を庇う様に立った。
「どなたかは存じませんが、シェリル様は今、出産を終えた後で大変疲れております。お引き取り下さい!」
震えながらも、懸命に訴える。
鋭い叱責で我に帰ったガゼットは、ある単語を聴き留めた。
「…出産?」
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