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翌日、朝一の講義で坂崎と会った。 「はよ。 昨日はさんきゅーな」 と声をかけた。 坂崎は 「おう、また行こうぜ。 お前、全然食ってないからそんなにやせてんだよ」 と俺の腹をつかもうとした。 「ふつーだよ」   「もっと肉食え、全然肉がない」 「痛いって」 はは、と笑いあってると 「おはよう」 と女の子が声をかけてきた。 その子は坂崎の隣に座ると 俺を見て、 にっこり笑ってあいさつした。 この子が、「みのりちゃん」とやらなんだろうか。 昨日、電話かけて来た子? 坂崎の今の彼女? どちらかというと地味な感じの坂崎だけど、 派手目な女の子からもてる。 でも、彼女は派手じゃなく、 普通の女の子だった。 「あのさ、履修のことなんだけど…」 彼女は坂崎に話始めた。 俺は二人のやりとりを見て、 なんとなく疎外感を感じた。
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