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その日、夢を見た。
『ナオ、やっぱお前が一番いい。
な、キスして…』
吐息がかかるほど、顔をよせて
坂崎が俺の頬に手をそえて、
かすかに唇が重なった。
その時、目がさめた。
「………」
とうとう、こんな妄想までみるようになったか…
とさすがに頭を抱えた。
かなりイタイ…
できるだけ、あいつには関わらないようにしよう。
まあ、俺もあいつも忙しい。
毎日は顔合わせないし
大学は結構広い。
もうちょっと時間がほしい。
時間がたてば、
このキモチにもケリつけて、
普通に振舞えるように、
努力するから。
あいつとは、友達でいたい。
この手は、
なにもつかめなくてもいいんだ。
あいつの手、
つかめなくてもいい。
そう、本心から思えるまで、
時間をくれ…
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