319人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
「やっぱ、春って学校せまく感じるよな」
坂崎がふっ、とタバコの煙を吐きながら言った。
「新入生に加えて、他のやつらもサボるのやめよって、
殊勝に思うもんな」
俺が笑って答える。
「そうそ。んで、秋とか冬なんてみんな結局講義サボって
人数減ってくの」
「俺も、今年は単位落とさんようにせんと」
「お前、去年単位なんて落としてねーじゃん」
「いや、ギリだったの結構あるよ。
可がいくつあったかなー」
俺が指折り数えてると、坂崎は
「あ、俺、次旧館で講義だから、行くわ」
と立ち上がって、「じゃな」と挨拶して去って行った。
坂崎の後ろ姿を眺めながら、俺は、はあ…
と深いため息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!