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俺が正門に着くと、坂崎はすでに到着していて、俺を見つけると 「おう」と声をかけた。 「ドコ行くん?」 「ツレにコッコ亭の5千円券もらったんだわ。 だからコッコ亭行こうぜ」 コッコ亭は駅前にある焼き鳥屋だ。 久しく行ってない。 俺達は大学から10分ほど歩く駅まで、肩を並べて歩きだした。 昔は俺の方が背が高かったけど いつの間にか坂崎に追い抜かされた。 185センチの長身で、スラッとした坂崎は ちょっと童顔で、眼鏡のよく似合う奴だった。 「コッコ亭なんて、めちゃ久しぶり。 …半年くらい? 行ってねーよ」 俺がそう言うと 「俺は時々行くよ」 と坂崎は5千円券を取り出した。 「ソレ、俺に使ってもいいん?」 「え、なんで?」 坂崎は不思議そうに俺を見た。 「え…だから…」 口ごもった俺は、 うつむいて 「だから、彼女とかと行った方が…」
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