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ジリジリジリジリ-…
目覚ましの音が部屋中に響く。
「うるさいなあ…」
亜弥はそう思うと、目覚ましをとめて、また寝てしまった。
「亜弥あ-!!!いつまで寝てるの-???」
また、お母さんの1声で目が覚める。
「お友達が来てるわよ-!!」
お母さんが階段の下で叫んでる。
えっ………
友達…???
あっ………
昨日、彰と約束したんだ!!!!
亜弥は慌てて制服を着て、少しメイクをし、家を出た。
「おはよう♪」
そこには制服を来た彰がニコッと笑いを見せて立っていた。
ドキッ…………
まただ…
わたし…
彰の事、好きなのかも…
そう心の中で呟いていると、急に身体が宙に浮いた。
「キャア-…!!!」
驚きのあまり叫んでしまッた。
彰は亜弥を抱き抱え、自転車の後ろに乗せた。
「さあ-出発!!!!!」
そう言って無邪気にはしゃいでる姿を見てると、初めて…
彰を愛しいと感じた。
自転車は風をきり、住宅街をどんどん通り抜けていく。
わたしは彰の背中につかまり、通り過ぎる、町の景色を眺めていた。
今日は風が気持ちいい。
彰のサラサラの黒髪から、シャンプーの匂いが漂ってくる。
「亜弥…!!!亜弥…!!!」
ぼ-っとしていたので、彰が呼んでいるのには、なかなか気がつかなかった。
「ごめん!!!なあに???」
亜弥が言うと
「俺さ.亜弥の事好きだ。だから真剣に俺の事考えてほしい。」
え…
今なんて…??
彰がわたしの事好き…??
どうしよう…
あたしには、優がいる。
でも…
亜弥の頭の中は、真っ白になった。
「返事は.ゆっくりでいいから…!!!!」
ニコッと笑う彰を見て、亜弥は少しホッとした。
「わかった!!」
と、返事をし、後からゆっくり考えよう…と亜弥は思った。
「もうすぐ着くぞお!!!亜弥あ-しっかりつかまれよお!!!」
彰は元気よく叫び、一気にペダルをこいだ。
そして学校へ着いた。
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