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「彰…ごめン。やっぱりあたしは優が好き。でも彰は友達として大好きだよ!!好きって言ってくれてありがとう。」
亜弥は、彰にそう伝えた。
そして彰にニコッと微笑んでみせた。
「亜弥…!!!ありがとう。これからもよろしくなあ♪でも俺は亜弥を諦めないから。」
彰は真剣な表情で亜弥を見つめた。
「ありがとう。」
亜弥は、それだけ言うと教室へ戻った。
「彰…ありがとう。」
自分の席に着いて、亜弥は心の中で呟いた。
すると、優と美里の事件以来、わたしと仲良くしてくれている、真由美が寄ってきた。
「亜弥…今日さ、放課後あいてる???ちょっと、話あるんだけど…変な噂、耳にしちゃって…」
何だろう…。
嫌な予感がする。
わたしは
「いいよ♪」
と、返事をした。
それから、今日1日…
真由美が言った「変な噂」というのが、気になって仕方がなかった。
学校が終わると、わたしは彰と一緒に帰った。
彰が楽しそうに話をしていたけれど、全然頭に入ってこなかった。
彰も察していたと思う。
でも、何も聞いてこなかった。
それが、彰なりの優しさだろうと思った。
わたしにとっては有難い事だった。
家に着くと、私服に着替え、軽くメイクをし、真由美との待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所は、亜弥の家の近くにある公園だ。
公園に着くと、真由美はすでに来ていた。
2人はベンチに腰掛け、真由美はゆっくり………
ゆっくりと話始めた。
「亜弥…。落ち着いて聞いてね。実は…………」
真由美が話終えると、亜弥は泣き出した。
「そんな…」
亜弥は愕然とした。
真由美の話はこうだ。
「あのね…わたしの友人の美佳いるでしょ???昨日の夜、駅の近くのコンビニの前を通ったんだって…。その時、優が…優がね。5才くらい年上の女とコンビニから出てくるのを見たって…。しかも、仲良く手を繋いで歩いてたって…。優…たぶん浮気してると思う…。」
真由美は話終えると、地面に目を落とした。
どうしたらいいんだろう…
亜弥は途方にくれていた。
「明日…優に聞いてみるよ。」
それだけ真由美に言うと、亜弥はその場を立ち去った。
「もうしないって言ったのに…」
亜弥は自分の目の前に浮かんでいる、夕日を見つめながら、明日をどうするか考えていた。
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