*記憶の欠片*

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朝……… 亜弥は学校をサボる事にした。 彰の所へ行くために… 亜弥は私服を着て、マフラーと手袋を手にとり家を出た。 自転車に乗って、彰のいる総合病院に向かった。 病院について、受付に行くと、既に彰との面会が許されていた。 亜弥は病棟と部屋の番号をきくと、彰の元へ向かった。 彰が冷たかったら.どうしよう… 彰… 彰… 亜弥の頭の中には彰の事しかなかった。 部屋の前についた。 亜弥はノックしようとした。 でも… 手を止めた。 不安が込み上げてきた。 でも… ここで立ち止まってはいけない。 亜弥はノックした。 「はい。どうぞ」 彰の声だ… 「失礼します。」 亜弥は部屋に入った。 彰の姿を見て、亜弥は涙を流しそうになった。 「彰…わたしの事.覚えてる???亜弥だよ…!!!」 「すみません。どなたですか…???」 彰は悲しそうに呟いた。 亜弥はショックだった。 でも、ここで泣いてはいけない。 亜弥はぐっとこらえた。 「はじめまして。同じ高校に通っている亜弥だよ。よろしく♪」 亜弥は軽く挨拶をした。 「いい名前だね♪よろしく!!」 初めてあった時と同じセリフ… 彰はそういってニコっと笑ってみせた。 「彰…彰ああ……!!!」 亜弥はついに泣いてしまった。 彰はビックリした様に、ベッドから降りて亜弥の背中をさすった。 「何か、亜弥ちゃんを見てるとホッとする。泣かないで…必ず思い出すから…!!!」 彰はそう言った。 亜弥はコクッと頷いた。 それから学校が終わると、亜弥は毎日、毎日… 病院へ向かった。 いつも彰は優しく迎え入れてくれた。 徐々に、亜弥と彰の距離は縮まり始めた。 あと…風の噂によれば、優は… 高校を退学になったらしい。 亜弥はホッとした。 ある日………… 亜弥にとって、衝撃的な出来事が起こった。
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