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「そのまさかだ。俺は音楽室のピアノの幽霊にとり憑かれた。」
「…。」
彼の真剣な態度に、嘘は言ってないと分かる。
分かるからこそ、あまり信じられない。
いや、信じたくなかった。
「その…、瑠夢にとり憑いた幽霊は今、何処に?」
「俺の隣にいる。」
隣。
そう思い、満は瑠夢の隣を見る。
正直言って、見えなくて良いと思っていたが、瑠夢の隣には半透明の青年グレイがいた。
あまりにもの非現実に、満は言葉をなくす。
グレイはグレイで、見えている満が不審に思ったのか、眉間に皺を寄せる。
満の様子がおかしい事に気付いた瑠夢はハッとした。
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