第一の砦

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キーファは小さく溜め息をつき、喋り直した。 「何でおまえは、わざわざ城で勇者を待つ?」 魔王は怪しく微笑み「どういう意味だい?」と聞き返す。 その魔王の表情に、アレンとケイと、しかもリーサまでもがビクリとした。 しかし、キーファはそんな事気にも止めず、付け加える。 「弱い内に、自分の命を狙う奴らを殺しておかなくて良いのか?」 その質問に、魔王はサラリと答えた。 「えぇ~!?だってそんなんしたらつまんないじゃん!!」 まるで駄々っ子のように、魔王はそう言ったのだった。 勇者3人と、リーサもポカンとなる。 どういう意味か、と聞く代わりにケイは「はぁ?」と一言。 魔王はむっとした表情のまま、荒れた声で言った。 「だってさぁ~そんなんしても楽しくないし~、弱い者イジメつまんなしい~…」 …そんな答えを聞き、勇者達は確信した。 この魔王は何も考えてないな、と。
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