第一の砦

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リーサはしぶしぶ魔王の城の鍵を、アレンに渡す。 そして、決まり文句のように言った。 「…その鍵で魔王様の玉座へ続く、第一の炎の扉を開けられます」 しゅんとなったリーサは、斜め後ろに立つ魔王を見た。 勇者3人の視線も、アレンの受け取った沢山の装飾が施された赤い鍵から、魔王へ動く。 当の本人・魔王は、特にこのやりとりに関心がなかったらしく、呑気に欠伸をしていた。 そんなだらしない魔王に、キーファが言う。 「質問して良いか」 魔王はバサバサと頭を掻きつつ、生返事をした。 「んー?」 「何でこんな面倒臭い事させるんだ?」 魔王は眠そうな目を擦りつつ、キーファに言い返す。 「だめだよ長身くん」 長身くんと呼ばれたキーファは、何となく自分の180センチ近くある身長を恨みつつ、また返す。 「何がっすか?」 女子ながら165センチある魔王は、真顔でキーファを見た。 「ちゃんと主語つけて、相手にわかるように質問しな」 ケイとキーファは「しょーもな」と、小声でつっこんだ。
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