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私に何故か怒りはなく、ただただ寒かった。
そして寂しかった。
前なら私は手がつけられないほど怒り狂ったにちがいない。
でも今は違った。
裕太だけでなく私も変わってしまった。何故なんだろう……
そろそろ一時間が立とうとしたその時、ガタガタガタっと大きな音が響いた。
ぼーっとしてただ寒さに震えていた私はその音で我に返り
ハッと顔をあげる。
そこには階段を走って登ってきた裕太の姿があった。
どこから走ってきたのだろう。肩で息をしている。
「麻美…………まさかずっとここで待ってた…?」
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