もうひとりの私。

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寒さに震え、声も出さずに頷いた私に裕太は 「まじごめんっ」 そう言いその場で私を急に抱き締めた。 「えっ…」 驚いて思わず声を出す。 「本当にごめん」 更にきつく抱きしめてくる裕太からはとても懐かしい香り。 「大丈夫だよ」 そう言って私もぎゅっとし返す。 大きな安心感。 それをもっと感じたくて深呼吸した。 そしてふと気づく。 そこに混じる知らない香りがあることに。 誰のものかは聞かなくてもわかる。 抱き締められている安心感と重なって思わずまた涙が出そうになるのを私はぐっとこらえた。
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