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日本という、島に来た。
病原菌の抵抗力で、私は、要らない力を身体が勝手に持った。
確か、実験で。
ミクロ単位でのナノマシンを有無なしに入れられた。
ガンに犯された細胞の代わりに変化をする。
破裂とかした細胞の代わりができるかどうかの、実験。
思い出すと、身体が、痛くなる。
とっても、痛くなる。
ああ、考えたくない。
思い出したくないなあ。
鳥を見て、翼っていうのが背中に生えてる。
骨が異常に増える病気とナノマシンが、織り合わさって最近できた。
本当に、要らないよ。
勝手に動いて、勝手に空を飛び始める。
手足の感覚も、てゆうか指先も骨が増えすぎて最近は動かない。
後、太陽光はあんまり浴びたくないなあ。
肌が痛くなる、これは、陽射しに対応できる位の肌がないから。
日焼けなんて生易しいものじゃない。
だから、世界から逃げれるものも、日本で最後。
それで、男が降ってきた。
いきなり。
落ちたんだなあとか、考えて、どうしよう。
私は犯罪者らしい、立場。
男は、一般人、だと思う。
「なあ、名前は?」
え、意外に落ち着いてる。
「背中に生えてるのって自前デスカ?」
「ないよ。自前だよ」
でも、格好良いかも。
「……なんで助けたの?」
助ける、じゃない。
「たまたま、落ちてきた」
「ふぅん」
納得してくれたかな……。
してくれないと困るけど。
男は、桜っていう。
自殺とかゆうのをしようとして私が拾ってしまい、失敗。
もう一度しようにも、気分がのらないとか。
てゆうか、気分で死ぬのか。
「命を粗末にするんだね。だったら――町の意味なんて最初からないじゃない……」
病原菌がなくなって生きれる世界。
平和の枠に入れている世界。
長く生きられる世界。
いないと、投げ出す。
それなら、換えてよ。
あの町と人を、全部、換えて。
返してよ。
理不尽、な世界。
町を実験にして、感染させて。
逃げ出せなくして、短い命。
短い時間しかなかったのに。
邪魔だから、不要だから。
それだけの理由で、神様のように。
奪う、世界。
そんなの、嫌。
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