第一話

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「すまねぇな…孝士さんにも俺の事で、たくさん迷惑かけてるのに」 「なら喧嘩なんかもう辞めなよ。総司は本当は優しい奴だって、知らないまま皆から、遠目に見られて気分が悪いでしょ?」 「まあな…。でもよ、ああして虚勢張らないと昔の俺みたくなっちまうんだよ…」 昔の俺… 「今まで、こんな風に生きて来なかったから。暴力を振るって、虚勢を張るしかないんだよ」 自分で言ってなんだかおかしくなる まるで改めて、自己暗示を掛けてるようだ 「でもあんまり無理しないでよ。私もそうだけどお兄ちゃんだって、総司が心配なんだからね」 それは痛いほど分かっているさ 喧嘩をしても何も言わない孝士さん 単に無視をしてるわけではない、真知子を通じていろいろ心配事を言ってくる 余は口下手な人なのだ お節介な真知子と無言で俺を見守ってくれる貴士さん 二人には感謝してもしきれないな…
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