537人が本棚に入れています
本棚に追加
「すまねぇな…孝士さんにも俺の事で、たくさん迷惑かけてるのに」
「なら喧嘩なんかもう辞めなよ。総司は本当は優しい奴だって、知らないまま皆から、遠目に見られて気分が悪いでしょ?」
「まあな…。でもよ、ああして虚勢張らないと昔の俺みたくなっちまうんだよ…」
昔の俺…
「今まで、こんな風に生きて来なかったから。暴力を振るって、虚勢を張るしかないんだよ」
自分で言ってなんだかおかしくなる
まるで改めて、自己暗示を掛けてるようだ
「でもあんまり無理しないでよ。私もそうだけどお兄ちゃんだって、総司が心配なんだからね」
それは痛いほど分かっているさ
喧嘩をしても何も言わない孝士さん
単に無視をしてるわけではない、真知子を通じていろいろ心配事を言ってくる
余は口下手な人なのだ
お節介な真知子と無言で俺を見守ってくれる貴士さん
二人には感謝してもしきれないな…
最初のコメントを投稿しよう!