第3章

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理事長室では黒主灰閻が一枚の写真を見ている。 そこには赤ちゃんを抱いた1人の女性が写っている。 「……リさん」 灰閻は何かを呟いた。 その時 《トントン》 ノックの後声がする。 灰閻は急いで写真を奥の机の上に置いた。 「理事長、少しよろしいでしょうか。」 「枢くん、どうしたの?部屋に帰ったんじゃ」 灰閻は扉らを開けて枢を部屋へと入れる。 「一度戻ったのですが、少し気になることを聞いたので理事長にお話しをとおもいまして。」 枢はそう話すと奥の写真立てに気づく。 「理事長、あの写真を見ていたのですか」 枢は灰閻にそういうと自分も写真を手にとって見ている。 枢は懐かしそうに、しかし悲しい眼差しで写真に写っている女性を見ている。 すると灰閻は口を開く 「ねぇ 枢くん、今回の騒動にあの方が絡んでるってことあるのかな。」 「それは考えにくいです。彼はまだ起き上がる事さえ出来ないはずですから。」 枢はそういうと写真を置いて椅子に座った。 「今回の事があの方に関係ないなら、やっぱりだだの偶然…」 「実はそのことで、お話しがあって来ました。」 枢は真剣な顔つきになって話はじめる。 「今回のレベルE出現は、偶然なんかではないかもしれません。」 「それはどういう事だい、枢くん」 「さっきレベルEを追いかけていった藍堂が、デイ・クラスの転入生2人を見たと報告を受けました」 「華月くんたちをかい!?」 「はい。藍堂の報告によると、あの2人は逃げて来たレベルEを粛正したと…」 「何だって!」 いつも穏やかな灰閻もさすがに驚いたのか目を見開いていた。 そしてかけていたメガネを外すと、真剣な顔をして… 「枢くん、このことを知っているのは?」 「僕と藍堂です。恐らく架院も何か感づくでしょう」 「藍堂くんと架院くんに口止めも頼むよ枢くん。とりあえず、この事は他には漏れないようにしよう」 灰閻がそういうと、枢は頷く。 そして話を終えた枢は寮へと戻っていった。 その後理事長室の前に1人くる。 「面倒な事になった」
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