第3章

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<陽の寮> 《カタカタ…》 「なるほどね」 湊都はパソコンらしきものを見てつぶやいいる。 《ガチャ》 「ただいま、何やってんの湊都」 「お帰り颯。ナイト・クラスのこと調べてたんだよ」 湊都は画面を見ながら答える。 「何かわかったのか?」 颯は画面を覗き込み話す。 「ヴァンパイア社会の仕組みがわかったよ」 「仕組み?」 「ヴァンパイア社会も人間と同じ縦社会だということだよ」 今度は颯を見て話し始める。 「縦社会」 颯は時々相槌を入れてくる 「ヴァンパイア社会は全部で5段階に分かれている。それらをすべてランク分けするとしたら 《 Aランク…人間の血が一切混じっていない純血種 Bランク…貴族階級のヴァンパイア Cランク…一般階級のヴァンパイア Dランク…元人間のヴァンパイア 》 そしてこれらすべて当てはまらないのが、この間僕たちが粛正したレベルE」 「じゃあ、玖蘭枢は最高権力者ってことなのか」 「実際はそうなんだろうけど、現在、ヴァンパイア社会を仕切っているのは、元老院という組織みたいだ」 「元老院?」 「先々代の玖蘭の頭首が権力の集中を嫌い、作った組織だ。その元老院の最高権力者が、一条麻遠、別名一翁。 ナイト・クラスの一条琢磨の祖父だ。」 「ということは元老院とナイト・クラスは繋がってるのか」 「いや、それが元老院には純血種が居ないらしく、純血種である玖蘭枢を欲しているようだ。それに枢は元老院をよく思ってはないみたいだし。」 「なるほど。ナイト・クラスと元老院の関係は微妙なんだな」 「それと今回は関係ないけど… 」 湊都は口ごもりながら画面を颯に見せる。 元老院と玖蘭枢の事が詳しく書いてあった。 「何だよこれ…」 颯は言葉をなくす。 「僕も驚いた、けど今回の事には関係ないから…。この話は無しにしよう」 「あぁ、その方がいい」 2人はこの話には触れない事にした。
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