ハルさんの魔術

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なんとか距離を取ったハルだったが、250ccのスクーターではすぐにあの豹とよく似た動物と同じ名前の会社が製造したスポーツカーに追いつかれるだろう。 捕まったりすれば、テレビでやってるみたいに海の魚達のエサになったりするのだろうか? そんな未来の可能性にビビりまくっているハルにアルが笑いながら提案する。 《ほらっ!! いつもみたいに魔術でパパってやっちゃいなよ》 「無理だって!! 下準備なしだと俺なんもできないの知ってるだろ?」 《なら、その中学の自転車通学の時から使ってるヘルメットぶつければ? そろそろ買い換えようよ!! わたし、フルフェイスのがいいな》 「やだよ、愛着あるから。 それとお前が被るんじゃないからな?」 《わかってるわよぅ。 あっ!! ほらっ、それそれ!! ハンドルのとこぶら下げてるやつ ソレなら使えるでしょ?》 言われてハルは古典の授業中退屈しのぎに作ったお守り……というよりも商売道具のことを思い出した。 紐を通して後は家{うち}で仕上げようと思っていたが、学校から帰り少し遠いところまで買い物に行く必要があったのでスクーターを使った際ハンドルにつけたままだった。
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