ハルさんの魔術

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◇ 「糞ッ!! なんなんだ」 発煙筒を放り出しオジサマが悪態をつく。 「オイッ! あの餓鬼ブチ殺すぞ!!」 「わかりやした」 混乱しながらも自転車とそう変わらない速度になったスポーツカーのアクセルが強く踏み入れられる。 しかし―――― 「ア、アレ?」 「なにしてやがんだ?」 「い、いや」 いくらアクセルを踏もうと車が反応しない。 つまりもう追跡は不可能ということだ。 「糞ッ!! 最悪だっ!!」 ◇ 後日この二人は特に責任を問われる事はなかった。 あの後、スポーツカーを確認した業者が言うにはボンネットの下、エンジンやその他の主だった金属があり得ないほど錆び付き使い物にならなくなっていたらしい。
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