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「うぁぁ~~」
深夜のパーキングエリア。
ハルはテーブルの一角を占領し着地の際痛めた足の具合を確認していた。
《結構腫れてるね》
となりに座ったアルが、ハルの腫れた踵を指でツンツン突つきながら言った。
触れられないのでハルは痛くも痒くもない。
怪我自体は結構痛いが。
「ヒドいなぁ……」
ヒビくらいは覚悟しておこう。
それよりも今は体の不調の方が問題だった。
才能云々以前にもともと力の少ないハルだ。
ルーンはきっかけさえ与えれば文字が力を発揮するので消耗も少ないがアルに汲み上げられる分はそうではない。
霊体が世界に干渉するのは特に力を使う。
ソレにアルの持つ力を使えばすぐに底をつきアルは消滅してしまうだろう。
なのでアルが何をするにもハルが力を提供する。
だからアルはハルが許可しない限り今日のような無茶はしない。
すれば、ハルがつらい思いをすることになるからだ。
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