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砂糖のいれ過ぎですっかり甘くなったコーヒーを飲み干し、ハルは立ち上がった。
《もういくの? もうちょっと休んだ方がいいって!》
「いや……、あの……、姉さんにお土産買おうと思って」
《このシスコン!! 人が心配してるのに!!》
地元と違って知り合いが全くいないパーキングエリアで、ハルは人目を気にせずアルと話し続ける。
そんなハルをトラックの運転手が白い目で見ながら通り過ぎていく。
「ほら、そんな怒ってないでさ・・・・・・選ぶの、手伝ってよ?」
うまく出来るか自信はなかったが、ハルは笑顔で相棒に手を差し出した。
《……ふんっ》
その手を無視してハルの背後に廻ったアルはその腕をハルの首に絡める。
とりあえず“OK”ということだろう。
《ハル、センスないもんね。 いいよ、手伝ったげる》
「ありがと」
結局、あーでもないこーでもないと言いながら小一時間かけてお土産を選んだ二人だった。
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