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「あぁ、眠ぅ~」
予定より遅い帰宅になってしまった。
アパートに着いたハルは駐輪場にスクーターを停め、ナンバープレートの上に貼っていたナンバーを偽造するためのシートを剥がすと、バックと大き過ぎてシートの下のラゲージボックスに入らなかったお土産を手に揺れの激しい階段を登る。
“向日葵荘”。
現在のハルの住居である。
二階建てのこのアパート。
十畳ワンルームにキッチン、トイレがついて家賃五千円。
風呂はない。
初め見たときはそのオンボロっぷりに驚いたがそこは住めば都。
近くに銭湯がありトイレは二回ほど詰まったが今は問題なく使用できる。
銭湯を利用しだしたのは姉と同居が始まってからで、それまでハルの風呂は湯沸かし器のついた台所だった。
ハルが姉に配慮した形になる。
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