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「危ない、危ないっ!! 運転してるんだからそういう事するなって!!」
《なによぅ~、ハルが無視すんのが悪いんだからね?》
「な・ら、自分のした事だからいたわれとか言わんけどな、追い討ちかけるなよな!?」
《うぅ~》
どうもハルの相棒であるこのまだあどけなさを残す幽霊少女は見た目、もしくは実年齢相応の精神年齢を獲得するに至ってないようだ。
「……無視したのは、俺が悪かったよ。 ごめんなアル」
なので先にハルが謝るのはいつものことである。
《いいよ、わたしも大人気なかったし…………それよりそれ、どうするの?》
“それ”というのは、先程盗み出したファイルのことである。
「う~ん……」
もともと、今回のハルの仕事はとある屋敷に出没する幽霊をどうにかすることだった。
それを――――
「……やっちゃったな~。 姉さん怒るかな?」
《ハル、泥棒さんになっちゃったもんね》
「初めてにしたらよく出来てたな?」
《当たり前よ、なんたってわたしが一緒なんだから!!》
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