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「景色見てるのも楽しいんだけどなぁ」
《わたしはテレビ見てる方がいいや》
「そうだな」
さすがに深夜だけあって人通りも走っている車も少ない。
ハルはごみごみしたのは嫌いなので夜遅いくらいに出かけるのが好きだったが、最近はそういったことがなかった。
なので今のハルは若干テンションが上がっている。
それでもスクーターの速度は法規制速度をオーバーすることはない。
久遠ハル十八歳、実にいい子だ。
ちなみにこれが家まで十時間かかる原因の一つでもある。
高速道路の入り口まであと十分ほどになったとき、アルが何かに気づきハルに声をかけた。
《ねぇねぇ、ハルハル》
「ハルは一回」
《そんなことよりさ、ほら》
と、後ろから近づいてきたスポーツカーが横につきその窓を開けた。
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