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……どうしようか俺。
下手したら俺の社会的人権とやらが壊れる。
ここは既に社会的にカスだと認められている陽人へ責任を擦り付けるしかないな。
悪いな陽人。恨むなら俺じゃなくて社会を恨んでくれ。
「よく聞け梨花。悪いのは俺じゃなくて陽人だ。
この前陽人が俺の部屋に無断侵入しやがって『ゆたかきゅんにプレゼントだおっ! ありがたく受け取りなさいよバカっ!』みたいな言葉をほざきながら俺に差し出してきたんだ。俺は陽人にこのエロスの塊、エロ本を返そうとおもってたんだ。俺に幼馴染み趣味は無右肘がねじ切れるように痛いィィィィィィ!!!」
必死の弁解を続けていた俺に梨花が肘関節をネジって右腕を潰そうとして来やがりました。
アレですか。キレる若者ですか。
おいたん暴力振るったらいくないと思います。なぜなら右肘から先の感覚がだんだん薄れていってるからです。
「豊くんは幼馴染み趣味……あるよねぇ?」
梨花はこれ以上無いほどの笑顔を浮かべているが俺にはわかる。
この子間違いなく怒ってますね。
怒ってなかったら人の右肘をねじ切ろうとなんかしないだろうし。
「イエス ユア マジェスティ! 俺は生粋の幼馴染みキラーです! だから右手を許してやってください!」
右腕が悲鳴あげてるから。死にたくないよう! 死にたくないよう! って言ってるから許してください。
助けを求めるために部屋中を見回してたら陽人と目があい、途端にバカにする感じで爆笑された。
右腕が無事だったら木刀で動けなくしてやろうと心に誓い、再び梨花に交渉するとすぐに離してくれた。
梨花のおばさん……梨花に武道習わせたのは間違いでしたね。
この子は人の腕をねじ切ろうとする女の子に育っちゃいました。
梨花よ。今からで良いから女の子らしくしてください。
ソレが駄目ならせめて人の腕をねじ切ろうとするのは辞めてください。
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