399人が本棚に入れています
本棚に追加
その後5時半になって二人が帰るまで俺と梨花はガンダム無双やらウイニングイレブンなどと言う有名所ゲームをしていた。
可哀想な陽人はずっと床で咽び泣いていたけど。
7時過ぎに母親が今日は遅くなるから料理を作るかコンビニで全員分の弁当を買ってきて先に食べてろと言うメールを送ってきた。
新学期で疲れている中、料理を作る気はさらさら無いので財布を持ち、軽く身支度を調えてから玄関に向かった。
母親の趣味で龍や虎の置物、よくわからないものが描いてある掛け軸など……和風で纏められている玄関で靴を履いている最中に鍵を開ける音が聞こえ、目の前で玄関のドアが開いた。
母親が仕事で遅くなると言ってきたのだから親父くらいしか帰ってくる人はいない。
姉貴は姉貴で大学の寮に入っているし。
だってこれは何時もと違うところの無い只の日常なのだから。
見上げるとやはりいつものように親父が立っていた。
――その年齢にそぐわない細身の体の後ろに見知らぬ女の子を連れていなければ。
……いつもと代わりの無い日常が少しずつ音を立てながら崩れていく。
「親父、自首しよう。今ならまだ間に合うから」
家族の中から性犯罪者は出したくない。
頼むから警察に行こう。
最初のコメントを投稿しよう!