2613人が本棚に入れています
本棚に追加
/800ページ
昼飯をみんなで食った後には、それぞれの授業へと赴く。実は、同郷の三人衆である俺、藤村と真雪美は、全員が違う学部で全く違う勉強をしている。
そんな俺たちとホーセイが出会った理由は単純だった。俺とホーセイは同じ学部で同じ学科だったのだ。
「朔太郎。ルーズリーフをくれないか?」
授業と授業の合間に、隣に座るホーセイが気さくに頼んでくる。
「すまん。今、やれるほどない」
「じゃあ、メモ帳とかはないか?極論、紙なら何でもいいから」
「なんで?」
「もちろん、学園祭の計画にルーズリーフ使いすぎて、紙がなくなったからだ」
授業を聞け、授業を。
振り返ると、2人掛けの席一面に広がるホーセイの計画書。それも1枚や2枚ではなく、おそらくは10枚は確実にあるほどの壮大な計画のようだ。
「授業そっちのけで何をやってる」
「遊びだ」
「あいにく、両親の金を無駄にしてまで遊びほうける気にはなれんな」
最初のコメントを投稿しよう!