第一章(新学期)

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夜空が綺麗だ…… 深夜、人々の寝静まる頃、授業すなわち昼寝の時間な今時の高校生である俺は特に眠くもないので何となく起きていたりする、と言っても今春休みだけどな 部屋の窓に体半分乗り出して1人無言で満月を見上げていた、何故そんなことを? と聞かれると困るが…時として人は不意に無意味な事をしたくなるものなんだ…少し寒い 「何黄昏てんだ? お前は黄昏仙人か!!」 よくわからないツッコミありがとう、なんて言うと思ったのかただの友人よ…『ただ』は強調してくれるとありがたい 我が家の隣に住まう幼なじみの悪友が俺と同じ様に窓から半身を乗り出し語りかけていた…気分的に無視してみた 「無視ですねっ!! ええ、わかりますよ!! だがしかし!! そのような王道がこの水瀬 茂流(ミナセ シゲル)様に通じると思ってんのかへっへ~ん!!」 近所迷惑だぞただの友人君、略してタダ友…とりあえず無視続行だな、今俺は1人夜風に吹かれて満月を眺めていたい気分だし 「ごめんなさい、変なこと言ってごめんなさい!! 無視しないでください!!」 ここで返事を返してしまったら負けな気がしたので俺はさらに黄昏てみた、そしてオマケに独り言だ 「さて、そろそろ寝るか」
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