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とはいえ、輝欄を放って逃げたのは失敗だったなあ……
許さないと言わんばかりに首を振る輝欄。ヒョウ柄のニット帽からはみ出ている髪が激しく揺れる。
「でもぉ……でもぉ! 目を覚ましたら青田んがいなくてぇ、すごく……すごく心細かったんだよぉ!!」
手を上下に振る輝欄はオーバーアクション気味だったが……なるほど、珍しく拗ねているのはその為か。
ならば、言いくるめるのは簡単だ。
俺は深く息をつき、肩を落とす。
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