一日目:駅(朝)

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背後からハッ、と息をのむのが聞こえた。絶対逃がさねえー。 振り替えるのと同時に変態野郎の腕を捻りあげてやる。 「イタタタタた~い!!!!」 堪らずに声を上げる変態野郎。その手には財布が握られていた。というか俺の財布じゃねえか! 「お前! スリだったのかっしょ!」 我慢していたこともあり、余計に腹が立った。捻り上げる手に力を込める。 「は、離してよ~う! アタシが何をしたって言うのよ~う!」 男のくせに黄色い声を出すな、気色悪い! あと、俺の財布を持ちながら白々しいこと言うな!
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