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お預けを喰らった犬のような顔をしている。あるいは、年老いた犬が冬空の下で寂しげに横たわっているかのようだった。
しかし、暗い顔だったのは一瞬だった。輝欄はすぐに、いつものおっとりした笑顔に戻っていた。
「うんっ! 分かったよぉ! 今日は一人で帰ればいいんだねぇ!」
「すまないっしょ。ケーキか何かお土産に持って帰るから楽しみにしてるっしょ」
調子に乗って、いらん約束までしてしまった。まあ、輝欄が喜んでいるみたいだから良しとしよう。
「うわぁ! じゃあ、青田んの家に遊びに行っていいんだねぇ!?」
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