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いつもの時間に、少し早めに設定してあるケータイのアラームが大音量で鳴り響いた。
(うるさい…)
もう朝か…。なんて、思いながらまだダルい体に鞭を打って起き上がり、アラームを止める
眠気覚ましに背伸びをすると、背筋が伸びて、ピキッと骨が少しだけ鳴った
はっきり言って、まだ眠い。
一時間以上時間もあるし、もう一度寝てしまいたいくらいだ
だけど、一瞬過ったそんな思考を振り払い、枕元に置いてあるケータイを取って、もう指が覚えてしまう程掛けた慣れた番号を打ち込んだ。
発信ボタンを押すと、プルルル…と音が聞こえてきて、俺は電話の相手が出るのをおとなしく待った。
(まだかな…)
数秒して、相手が、ふぁい…とふわふわとした気の抜けた声で出てきて、思わず笑みがこぼれてしまった
「おはよ。やまちゃん」
『んぅ、おはよぉー…ゆーとくん…』
俺の可愛い可愛い恋人は、本当にさっき起きたばかりのなのだろう、まだ覚醒してない眠たそうな声で、ゆっくりとおはよぉーと、言った
(可愛いなー、もう)
俺が、毎日のようにやまちゃんにモーニングコールを掛け始めたのは、もう大分前のこと。
いつだったか、やまちゃんが寝坊して仕事に遅れそうになった事があった。
その時「俺が毎日モーニングコール掛けてあげようか?」と、冗談半分で言ったら彼は本気にしたようで「本当!?ありがと裕翔くん!」と、凄く嬉しそうに笑うものだから、やまちゃんの笑顔に弱い俺は、ついつい承諾してしまった
(別に嫌な訳じゃなかったんだけどね)
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