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「おかしいわね……「鬼」なんて、もう滅びた種族のハズよ……。なんでアンタ――まぁ、明らかに下っ端みたいだけれどね――みたいなヤツがこんな所にいるのかしら?」
幸絵は動揺するでもなく、さらりと言い放ちます。
彼女が今までくぐり抜けてきた戦場比べれば、まだマシな方なのでしょう。
一方、「鬼」の方はと言うと、
「ぎゃははははははははははははははは!」
と下品な笑い声をあげながら、触手をうにうに動かしました。
「いいだろう!特別に教えてやる!――そう、確かに我ら「鬼」は、貴様ら「人間」に敗れた……。貴様らの生み出した、「科学」という力でな!」
うにうに。
「しかし……我らもただ、指をくわえて滅びを待っているほど愚かではない……ならばどうすればよいか?」
うねうね。
「――簡単な事だ!貴様ら「人間」が「科学」を手に入れた様に、我らも力を手に入れれば良いのだ!「地獄(ダークサイド)の力をな!!」」
その証拠に。
「鬼」はそう言うと、ゆらり、と全ての触手を空へと持ち上げました。
(来る――!)
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