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「――何が可笑しい?」
「鬼」は、イライラしながら、触手はうにゃうにゃさせながら言いました。
幸絵は答えます。
「アンタのこれ――全部、ただの幻覚でしょう?」
「――何故分かる?」
「ハッ!……こんな分かりやすい幻覚も見抜けないようじゃ、夫の浮気なんて一生気付かないわよ」
すぅっ……
幸絵は「マイ洗濯板(ボード)」を構えます。
そして、目を閉じました。
「要は……この中にいる、「本物のアンタ」を見付ければいいんでしょう?」
「フン……「出来れば」の話だがな……」
そんな「鬼」のセリフを無視し、幸絵は精神を研ぎ澄ませます。
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