1人が本棚に入れています
本棚に追加
それは、今ではない、けれども昔かと言われるとそれも心配な、時系列のハナシ……
川多村。
それは、名前の通り村中(むらなかではありませんよ?)に川の通っている村でした。
村の主な産業ももちろん川絡み。
漁業はもちろん、最近では需要の増えたミネラルウォーターの生産、販売。
果てには、巨大なアミューズメントプールまで建設中なのです。
これで、数年前から問題になっていた「若者の都会進出」も食い止められることでしょう。
さて、そんな村に住む主婦、川元幸絵(45歳)は、夫であり辺り一帯の大地主、権三郎(44歳)に言いました。
余談ですが、川多村では村民の40パーセント近くの苗字が「川元」です。
「あなたー?あたし、ちょっと裏の川で洗濯してくるから」
「ヒィィィィヒヒヒヒヒ!」
権三郎は快く承諾しました。
最初のコメントを投稿しよう!