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…まさか、それが現実になるなんて、俺は予想も……してた。
俺の前にあるのは、万里ねぇが作った、クリームシチュー……ではなく、真っ黒な黒ームシチュー。
何をどうしたらこんなものができるの!?
万里ねぇはある意味凄い人かもしれないな……。
「き、今日は国世くんが来てくれたから、い、いつもより頑張ってクリームシチューを作ってみたの……。た、食べてみて!」
「う、うん……。いただきまーす!」
スプーンで掬ってみる。
…あれ?俺が切った野菜は何処へ?
てか、これシチューじゃなくてスープみたいなんですけど……。
く、黒スープ?イカスミなの?
俺はおそるおそる黒スープを飲んでみた。
…………。
「お、おいしいよ!万里ねぇ!すげぇよ!」
「ひゃっ!?き、急に叫ばないでよ……。び、びっくりしたよ……」
「ご、ごめん。おいしかったもんでつい……」
確かに万里ねぇの黒スープ、いや、クリームシチューは美味しかった。
もう一口飲んでみる。
…………。
…あ、あれ……?
味が……しない……?
どうやら俺は一時的に舌が麻痺したようだ。
そのことがバレないように、俺はすぐにシチューを完食させた。
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