98人が本棚に入れています
本棚に追加
「ひゃあっ!」
俺を見ての第一声が未だに叫び声なのは、変わらないのか……。
悲しいなぁ……。
「よ、よぉ。万里ねぇ。遊びに来たぜ」
「あ……、く、国世くん……。お、驚かせてごめんね……」
「いんや。もう慣れっこだから大丈夫だよ、万里ねぇ」
このちょっとおどおどしてる、俺よりも小柄な女の子が、野口万里那。
俺の父さんの妹の娘。
簡単に言うと、俺の従姉だ。
俺の大好きな年上の女性……なんだけど、性格がこんなんだから、俺はちょっと会いに行きたくなかったんだよなぁ……。
俺的には、やっぱり元気な人がいいんだよな。
まぁ、別に万里ねぇは可愛いからいいんだけどね。
「えーと、立ち話もあれだから、そ、その……、入ってきて」
「おぅ。では、おっじゃまっしまーす!」
しーん……。
…静かだからなんか調子狂うなぁ……。
てか、やっぱり叔父さんと叔母さんは出掛けてるのかな……。
いたら、もっとゆったりできるんだけど……。
万里ねぇだけだと、なんか気まずいなぁ……。
「あのー、ま、万里ねぇ?」
「な、何?」
「叔父さんと叔母さんは?」
「お、お父さんとお母さんは、今ちょっと出掛けてるよ……。夜までは帰ってこないらしい……」
なるほどね。
万里ねぇを退屈させないために、俺を呼んだってわけか。
俺は万里ねぇの後ろをついて行って、リビングに着いた。
最初のコメントを投稿しよう!