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「じゃ、じゃあ、お茶持ってくるから、そ、そこに座ってゆっくりしていてね……」
「はいはーい」
そう言って、万里ねぇはキッチンの方へ行った。
俺はとりあえず周りを見渡してみた。
前に来た時と全然変わってないなぁ……。
子供の時の写真がまだ飾ってあるし。
あの時は、万里ねぇの方が大きかったんだな。
今は俺の方が大きいけど。
そーんな感じで、懐かしんでたら、向こうからお盆を持った万里ねぇがやってきた。
「ちょ、ちょっと待っててね……。い、今持ってくからね……」
…って!
ま、万里ねぇの手がめっちゃプルプルしてる!
「万里ねぇ、大丈夫か?なんか辛そうだけど。手伝おうか?」
「だ、大丈夫……だよ。国世くんはそこで待っててね……」
そんなこと言われてもなぁ……。
今にもひっくり返しそうだ。
やっぱり手伝おう!
「万里ねぇ!俺が持ってくよ!」
「わひゃい!」
しまった!声が大きかったか!
万里ねぇがお盆をひっくり返した!
そしてお茶は万里ねぇにかかった……。
もし、熱いお茶だったら大変なことになってたな……。
「だ、大丈夫!?万里ねぇ!」
「う、うん……。だ、大丈夫だよ……。ごめんね……。お茶ダメにしちゃって……」
「いいよ。片付けとかは俺がやっとくから、万里ねぇは濡れた服を……」
濡れた……服……?
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