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「わぁ見てきれいな花。」
ばきっ!
「やだー怒られるよー?」
「平気、平気ばれないって。」
「誰も見てないんだしさ。」
今、私の目の前で若い人間の男と女が私の住む木にせっかく咲いた花を枝ごと折っていきおった。
私「・・・・・・💢💢💢」
ああ、何たる高慢。何たる無礼!!
おのれ人間共め!!!
高貴な私を感じることも出来ない、無神経な下等生物共め!!!
私がいくら話し掛けようと、人間共には私は見えないし触れもしない。
枝ごと折っていった人間も私に気付かずに行った。
胸クソ悪い日々だ。
何かスカッとすることはないものか。
そう考えながら私が木の上でぼーっとしていると、下から人間のガキ共の声がしてきた。
「あっ!おい、あいつに近づくと嘘つきがうつるぞ。」
「ぎゃはは、本当だ。あっちいけよ!」
ガキのうちから同類でいびるとは何と醜い。
「あっちいけー」
そう言ってガキは前を歩くガキに石をぶつけた。
少年「・・・・・・・・」
少年は後ろをガキらしくない冷めた目でみた。
「何だよ、何もしてないぜ?」
「空から石が降ってきたんじゃないの?お前よくそんな感じの嘘つくじゃん。」
私(ちっ、煩いガキ共だ💢)
何故かその光景にイライラした私は、木を揺らして石をぶつけたガキ共に毛虫を落としてやった。
ボトボトボト
「うわー!毛虫が降ってきたー!」
ガキ共は一目散に逃げていった。
私「あはは♪ゆかいゆかい♪」
そして下を見ると、いじめられていた少年が私を見ていた。
私「はは♪・・・・・・は?」
少年「・・・・・・・・・」
少年は走っていった。
何だったんだ?一瞬あの子と目が合った気がしたが。
私「・・・いや、気のせいだろう」
私の姿が人に見えるハズはない。
私の存在に気付く人などいるハズが・・・・・
私「・・・・・・」
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